インボイス制度に関するまとめ

インボイス制度について

名称について

インボイス制度=適格請求書等保存方式

適格請求書って?

消費税の仕入税額控除のために必要な請求書

仕入税額控除って?

小売店Aの立場で考えてみましょう。

小売店Aが、卸売店Bから商品を仕入れるときに、600円の消費税を支払ったとする。(品代6,000円+消費税600円=6,600円)

小売店Aが、消費者Cに商品を売る時に、1,000円の消費税をもらったとする。(品代10,000円+消費税1,000円=11,000円)

小売店Aは国に消費税を納めるときに、既に卸売店B支払っている600円分の消費税を控除することができる。

したがって、商品を売り上げた時の消費税は1,000円だが、600円の控除を受けて、400円のみ納付すればよい。

ここで控除される600円が、仕入税額控除。

ここまでのまとめ

小売店Aは、小売店Bから適格請求書により請求を受けた場合に、仕入税額控除を行うことができる。(国に400円納付)

逆に言えば、小売店Bが適格請求書を交付できない場合、小売店Aは仕入税額控除を行うことができない。(国に1,000円納付)

適格請求書の交付について

適格請求書を交付できるのは誰?

課税事業者

課税事業者って誰?

前々年(2年前)における課税売上高が1,000万円を超える事業主。

売り上げのうち消費税額を国に納める立場のもの。

課税事業者じゃない個人・法人は何ていうの?

免税事業者

売り上げに含まれる消費税額を国に納めずともよかった立場のもの。

ここまでのまとめ

適格請求書を交付できるのは課税事業者。

免税事業者は適格請求書を交付できない。

適格請求書を交付できないということは、小売店Aが仕入税額控除を受けられず、国に治める消費税が、400円で良かったところ、1,000円になってしまうということ。

小売店Aは適格請求書を交付できる事業者を相手にしたいと思うようになる。

免税事業者はどうすればいい?

選択肢は2つ

卸売店Bの立場で考えてみましょう。

①免税事業者のままでいる。この場合、消費税額はこれまでとおり国に納めなくていいが、契約相手(例えば小売店A)から仕事の依頼が来なくなる可能性がある。

②売上高に関わらず、課税業者となることができるので、まずは課税業者として登録する。その後、適格請求書発行事業者登録を行う。

課税業者になるとどうなる?

売上高が1,000万に満たずとも、売上高の消費税分を納付することになる。

つまり、これまでは懐に入っていた消費税分を、国に納めなければならなくなる。

卸売店Bとしては、これまでは懐に入っていた600円を、国に納めなければならなくなる。

かといって免税事業者のままでは、適格請求書の交付ができず、小売店Aから契約を打ち切られる恐れがある。

フリーランス(自分)の立場としてどうするか

現状考えられる案は2つ

立場としては卸売店Bのポジションとなる。自分は制作会社に労働力・成果物を提供し、消費税(例:10,000円)をもらっている。制作会社は顧客に完成品を納品し、消費税(例:30,000円)をもらっている。

①課税事業者登録・適格請求書発行事業者登録を行う。制作会社は20,000円、自分は10,000円の消費税を納付する。

②免税事業者のままでいるが、委託企業に対して消費税の請求を行わないなど、調整・交渉を行う。制作会社に労働力を提供するが、消費税額は0円。制作会社は30,000円の消費税を納付するが、うち10,000円はこれまでであれば自分に払っていたものであるので、負担は変わらない。一方で、自分は消費税分の収入を失う。

どちらにせよ消費税額分は収入が減るのでは?

上記ではそのように思えるが、以下の緩和措置が3年間取られる。

・免税事業者が課税業者となった場合の消費税納付額は、預かった消費税額の2割の納付でいい

したがって、課税業者となっておき、預かった消費税額の2割を納めるのがベストか?

その他・懸念事項

・課税事業者の場合、消費税額納付の手続きに手間が生じる

・氏名・住所(=事務所が住所の場合)が公開される

参考にした動画・サイト